モリシップランの万葉集英訳

鵜の目鷹の目、世界の目!

「世界を見る目」を養おう! それも一方向からの見方にとらわれず、水中からや地べたから空を見つめているであろう鵜の鳥の地道で懸命な目線も忘れず、空から地上を俯瞰する鷹の鋭い大局観にも学びつつ、世界の諸問題を一緒に考えようではありませんか? そして独りよがりに陥らず、他者の意見も取り入れ、世界の批判も受け入れながら、より良い日本社会を作り上げるべく一歩一歩進もうではありませんか? 
=Look up from under the water and from the ground with a cormorant’s eye,
=Look down from the sky on the whole scene with a hawk’s eye,
=Embrace the views of the world.

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私は38年間にわたる商社生活(この内23.5年間の海外生活)と12年に及ぶ造船所生活、そしてその間、様々な異業種交流・国際交流を経験し、現在は、個人勝手事務所を設営し、自らの経験なり僅かながらの知見を次世代に伝えることにより、仮にも、若い人たちの思考、姿勢が停滞気味、閉鎖状況にあるものであれば、これを開き背中を押すようにしたい、との願いを持つものです。大それた物言いをいう様ですが、已むに已まれぬ思いに突き動かされての妄言であります。 ご寛恕頂き、仕事に、生活に、海外との交流の場の一つのヒントとして、お読みいただければ幸甚です。 私は、過去半世紀以上にわたり、米、英、日の地において、New York Times、 (London)Times、Economist、日本経済新聞等をフォローしており、勿論他にも多数の有力紙があるなか、可能な限り幅広い考え方を取り入れ、ビジネスの指針の一としてきております。 まだまだパンデミックは収まらず、自らの行動にも制限を加えなければならない中、そして個人での行動範囲、容量には制約もあり、先ずは、NYTをベースにして、「こう言ってますよ、こういう見方もありますよ」という記事を抄訳スタイルで紹介し、時には私自身の意見、論評も加えつつ、皆さんとの意見の交換をできれば、と願っております。 2021年9月から始めており、アップデートしてゆきます。
モリシップラン 森島英一
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TABLE OF CONTENTS

2023年01月06日 鵜の目鷹の目、世界の目
(Look up from under the water and from the ground with a cormorant’s eye,
Look down from the sky on the whole scene with a hawk’s eye, Embrace the views of the world.)

 Outrage in Pacific at radiation dump plan
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(by Pete MCKENZIE)       
( New York Times International Edition 1/3/2023)
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「南太平洋諸島国、日本による核汚染水投棄に対し怒りの声」
(抄訳)
あの2011年の悲惨なメルトダウン以来今日に至るまで、日本の福島第一原発は毎日、
その破壊された原子炉の温度を冷却するため、何百トンもの水を流し通し続けている。
その結果、高度汚染された冷却水は何百と言う貯水槽に貯蔵されており、それは、原発の中の巨大迷路の如き光景を作り出している。

以来10年、水は溜まり続けている。しかし今や、130万トンの上る貯水量となり、日本政府は場所がなくなってきている。 そこで来る本年春には、他国もやったことがあるように、この汚染水を、放射性物質のほとんどを処理した上、海洋投棄する予定だ。

日本政府は、他に可能な代案が無いとして、安全基準に万全の注意を払うことを確約した上、投棄を実行することを言明している。

しかしこの手法に対し、日本の近隣諸国は懸念を増大させている。昨年11月には、南太平洋諸国、マーシャル島、オーストラリア等の12ヶ国以上より、この投棄計画を延期するよう抗議が出てきている。

ピースボート・グループをはじめ、投棄に抗議する諸団体、政府機関は、南太平洋は元々1954年に行われた米軍によるビキニ礁水域での核実験で被害を受けており、日本の漁船
(HM注:第五福竜丸)も巻き込まれているのに、その日本が今なぜ? 加えて、世界で唯一の被爆国である日本が核廃絶を声高に謳いあげながら、なぜ? おかしいではないか、
自己矛盾だ、裏切りであり正義に悖るとの声を上げる。「この無責任な行為は、太平洋諸国の人々への核戦争布告と同じだ!」と。

一方、日本当局の説明は、あらゆる対策は取るものであり、唯一、トリチウムだけは排除できない性状であるが、これを希薄化することにより、通常の医療検査、航空機による旅行、食物の一部と同程度の被爆量となるに過ぎない、と言うもの。 IAEA(国際原子力エネルギー機構)のR.M.Grossi事務局長は、「日本の対処方法は、世界中の慣行に合致するものである。もっとも、福島での大量の水は、ユニークであり複雑でもあるが」、と述べている。

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(HM註:本記事では、更に踏み込んだ分析、報告も行われており、詳細は本記事を参照願います。本記事全文当方にても保管しています。いずれにしても、他国からの懸念は当然であろうし、国内においても漁業関係者、原発懐疑派からも反対の声が出ている。
これに対処するには、徹底的に開かれた説明と、IAEAや国連よりの客観的意見を提示することが必要と思われます。)

2023年01月04日 鵜の目鷹の目、世界の目
(Look up from under the water and from the ground with a cormorant’s eye,
Look down from the sky on the whole scene with a hawk’s eye, Embrace the views of the world.)

How fusion can secure our future
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(by Sabine Hossenfelder)       
(OPINION - New York Times International Edition 12/19/2022)
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「核融合技術は如何にして人類の安全を保障してくれるか」
(抄訳)
去る12月5日、カリフォルニア州在 Lawrence Livermore National Laboratory にある 国立点火施設(National Ignition Facility - NIF )において、192本のレーザー光線が
ジェリー飴容器大の金製シリンダーに向けて同時発射された。微細な精密度でもって、
キャプセルはレーザー光線を一粒の凍結水素に集中照射した。そして何分の一秒という瞬時において当該水素の温度は、太陽の中核における温度を上回るものとなり、水素原子の中核がお互いに融合するに至ったのだ。この実験プロセスにおける投入エネルギー量2.05
メガジュールに対し、排出エネルギー量3.15メガジュールと、エネルギー純増が確認されたのだ。
ニューヨーク州選出上院議員チャールズ・シューマー氏は、この実験成功をもって、人類の未来を予言するものと宣言し、「この驚異的な科学技術の進歩は、人類がもはや化石燃料依存を脱し、新しいクリーン融合エネルギーによる活動が可能となることを指し示すものだ」と述べた。

しかしながら、このレーザー技術は現在恐ろしく非効率であり、レーザー照射に要する準備エネルギーは300メガジュールなのだ。コストと実用化への時間は膨大なものであり、果たしてこの技術が地球環境にとっての福音となりうるのか、考えものだ。

例えば、テキサス技術大学の気候学者、Katharine Hayhoe 氏は福音説を否定して曰く、「もう現在において、2030年までに電力業界の80%を脱炭素するに必要な技術があるのだから。」

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(HM コメント: 現在、種々の脱炭素化への手段が謳われている ― アンモニア燃料、水素燃料等 ― が、この核融合技術も含め、常に明確な問題意識を持って判断しなければいけないのは、現実と理想の葛藤であろう。気候変動への対策は時間との勝負でもある、しかし又、長い宇宙空間での時間軸にあっては、30年、50年、100年をかけての努力も、世代を超えて実行すべきものでしょう。
10/30/50/100年それぞれの時間軸において、もろもろの選択肢を追求するしかないものと判断します。 尚、本欄に掲載済みの、2021/10/20の記事も参照下さい。

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