鵜の目鷹の目、世界の目!
「世界を見る目」を養おう! それも一方向からの見方にとらわれず、水中からや地べたから空を見つめているであろう鵜の鳥の地道で懸命な目線も忘れず、空から地上を俯瞰する鷹の鋭い大局観にも学びつつ、世界の諸問題を一緒に考えようではありませんか? そして独りよがりに陥らず、他者の意見も取り入れ、世界の批判も受け入れながら、より良い日本社会を作り上げるべく一歩一歩進もうではありませんか?
=Look up from under the water and from the ground with a cormorant’s eye,
=Look down from the sky on the whole scene with a hawk’s eye,
=Embrace the views of the world.
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私は38年間にわたる商社生活(この内23.5年間の海外生活)と12年に及ぶ造船所生活、そしてその間、様々な異業種交流・国際交流を経験し、現在は、個人勝手事務所を設営し、自らの経験なり僅かながらの知見を次世代に伝えることにより、仮にも、若い人たちの思考、姿勢が停滞気味、閉鎖状況にあるものであれば、これを開き背中を押すようにしたい、との願いを持つものです。大それた物言いをいう様ですが、已むに已まれぬ思いに突き動かされての妄言であります。 ご寛恕頂き、仕事に、生活に、海外との交流の場の一つのヒントとして、お読みいただければ幸甚です。
私は、過去半世紀以上にわたり、米、英、日の地において、New York Times、 (London)Times、Economist、日本経済新聞等をフォローしており、勿論他にも多数の有力紙があるなか、可能な限り幅広い考え方を取り入れ、ビジネスの指針の一としてきております。
まだまだパンデミックは収まらず、自らの行動にも制限を加えなければならない中、そして個人での行動範囲、容量には制約もあり、先ずは、NYTをベースにして、「こう言ってますよ、こういう見方もありますよ」という記事を抄訳スタイルで紹介し、時には私自身の意見、論評も加えつつ、皆さんとの意見の交換をできれば、と願っております。 2021年9月から始めており、アップデートしてゆきます。
モリシップラン 森島英一
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TABLE OF CONTENTS
2025年11月23日 鵜の目鷹の目、世界の目
Look up from under the water and from the ground with a cormorant’s eye, Look down from the sky on the whole scene with a hawk’s eye, Embrace the views of the world.
ロサンゼルス市民は、B-リスト 客の対応に夢中?
珍客の熊たちがプールに飛び込んだり、池の鯉を食したり、邸宅の裏に居を移したり…
L.A. Residents Are Obsessed With Their B-List Neighbors
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The Wall Street Journal Tuesday, November 18,2025
Personal Journal Column by Jim Carlton
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{抄訳}
カリフォルニア州トパンガ(Topanga)発:
LAの新興セレブ達が、マリブの海岸を散策し、スシを食したり、既存セレブの邸宅の裏庭でそぞろ歩きをしたりして楽しんでいる。彼女たちは毛皮のコートに身を包んでいる ― 何しろそれがクロクマの普段着なので。
カリフォルニア州には概算5万8千頭のクマが生息しており、これはアラスカを除いて全国最大数だ。それが、最近の山火事、乾燥、人間の居住空間の拡大により、山から都市郊外の富裕層地域に押し出されてきているのだ。
従来から、行政当局や民間団体はできる限り野生のクマを捕獲した上、鑑札を付け、山に返しており、その行動をトレースしているのだが、最近のクマの都市郊外区域への進出の結果、マリブの邸宅にあるプールに飛び込んだり、池の鯉を「スシの様に」食したりしだしている。
「もう、お手上げだわ」との声が出る一方、多くの住民は、「クマは素晴らしいわ」との評価もあり、中には、クマのT-シャツを発売する店も出てきている。
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{HM註}
前号では、NYTの記事を紹介しましたが、偶然ながら、今度はWSJに本記事が出ています。
それも、NYT記事以上に、クマに対して好意的、と言おうか、あまり対決姿勢ではないのが、日本社会と対照的なので紹介します。本WSJ記事中にも、人身被害 ― 熊が人間を襲い、けがをさせた、死亡させるに至った、とか、人間側の対抗策として、「緊急猟銃」を行った、等の言及、示唆は全くないのです。
むしろ記事は、諧謔気味の記事となっています、参考ながら、見出しの「B―リスト客に夢中」と言うのも、LA地域、特にマリブ海岸やべバリーヒルズは映画スターや歌手等のセレブが多く住んでおり、パーテイが行われる時の招待状リストでは、ホスト側は
「A-リスト」と呼ばれる特別待遇客リストを予め用意し、抜かりの無いように接遇することが多いのですが、ここでは、Aリストの次に来るBリスト客としてのクマたちの来訪というユーモアも使って最近のクマの出現を記事にしているのです。(Bリストは、bear の頭文字でもありますね。)
そして最近アメリカで流行っている日本風の趣味 ― 池を作り鯉を飼うーまで手を伸ばして襲い、「スシ替わりに食してしまう」、と風刺的に表現しています。
総じて、クマの都市部への出現を深刻に捉えておらず、必要な対策、手段は講じるが、基本、動物愛護感情或いは自然界との共存の精神が全面に出ています。
これについては、「鵜の目鷹の目、世界の目」前号でも言及しました。そして、実際、クマのヒトへの攻撃と言うのは一切報じられていません。
おそらく、発生していないのでしょう。
日本政府、行政体も、米国当局、団体とも相談の上、日本で採用できる方策があれば、導入すべきでしょうね。
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2025年11月17日 鵜の目鷹の目、世界の目
Look up from under the water and from the ground with a cormorant’s eye, Look down from the sky on the whole scene with a hawk’s eye, Embrace the views of the world.
熊、狼、アメリカ・ライオンとの共生の現実
The reality of life with bears, wolves and mountain lions
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The New York Times International Edition
(OPINION by Arthur Middleton, Justin Brashares, Kaggie Orrick)
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{抄訳}
さる10月14日、カリフォルニア州魚類・野生動植物局は、タホウ湖北側地域に生息する群狼(狼のまとまった群れ)として把握されている10グループの内、1グループの中の4頭を殺処分するという悩ましい結論に達した、と公表した。
これらグループ・メンバーは、何十頭もの家畜を殺戮し、一般住宅と住民に近接した行動をとっていたというのだ。
米国では1900年初頭に至るまでに、西部地域から狼をほゞ全滅させていたという記録があるにも拘わらず、今日現在でも、サクラメント(Sacramento)からリノ(Reno)に及ぶ山峡の人口居住地域に狼が多数生息しているのは驚きだ。狼、巨大熊(Grizzly Bear)、アメリカ・ライオン(ピューマ)等の野生動物の絶滅を防ぎ、存続の手助けをしようとの動きが出だしてから数十年、米国は、これら野生動物と人間との共生を支えるための適切な政策、運営手法、運営資金が見えて来ないのだ。散発的ながら野生動物保護運動の高まりの中、これら種目の生息数も回復してきているが、その分、再び家畜類が襲われるケースが急増しており、牧場主や野生動物管理組合関係者等が動き出し、州政府当局も対策を打ち出して来ている ― 狼に対する人間の居住区からの追い出し作戦、手玉銃を投げかけるとか、囲い柵の新設など ― のだが、狼の方もこれらの抑制策の裏をかいて入り込んできており、家畜類への襲撃、殺戮が増えているのだ。
「我々(本OPINION欄投稿者グループ)は、狼と人間との持続可能な共生を支援する目的を持って、カリフォルニア州に生息し行動している狼類を研究する調査チームを主導している。
関係者、関係当局は引き続き種々の対応策を実行しているが、実際のところは、これらの捕食性野生動物にとって、餌となるべき動物 ― 野鹿等 ―の生息数と生息場所が少なくなってきており、必然的に餌の対象として家畜を狙ってくる結果となっている。アメリカ人は、全般的に言って、大型捕食動物類を含む野生動植物生活圏の維持快復を支援しており、これら野生動物との共生のための関係者間の協力と資金が必要となる。」
(Middleton氏 と Brashares氏はUniversity of California, Berkeley の教授、Orrick 氏は同大学のCalifornia Wolf Project の Director)
―――
{HM註}
この意見記事から見て取れるのは、記事中、ヒトへの被害が報告、言及されていないことです。現下の日本にあっては、特に北日本を中心に、クマの対人襲撃 ― 殺戮にも至る ― が多発しており、これに対処するため、従来からの手法としての、柵の設置、生息圏としての森林の伐採による人間界との隔離、更には熟練ハンターによる見回り、銃撃による緊急猟銃駆除、自衛隊出動による箱罠の設置作業などが進められていますが、本記事を見る限り、文脈やトーンが、自然動物保護と家畜類への被害の防止策のバランスを取れないか、と言う、やや美化された動きが中心となっている様です。
アメリカでは人間に対する捕食動物の襲撃というものは無いのだろうか? 私の場合、アメリカ在住経験はありますが、都市圏と郊外の住宅地に留まっており、山歩きをしたり、という経験は無いので、実情は分かりかねます(イギリス在住時は、ウエールズやスコットランドの丘陵地帯を、ガイドブックを頼りに歩く「Hill Walking」は家族連れで何度かやったことはありますが、一度も猛獣はおろかウサギやシカなどおとなしい野生動物さえ出くわしたことはありませんでした)。推測するに、アメリカでは、ご存じ通り、一般市民も銃器の保有携行が許されていますよね、田舎、山間部の住民たちはおそらく、農作業、畜産活動、更には日常行動の最中にあって、捕食動物(クマやオオカミ)に出くわすことを想定して、銃器を携行しているのでは?
しかも、通常の平地はおろか山間部も、そして短距離でも自動車で移動することが多く、日本のように、高齢者が独り歩きで山や畑に、「丸腰で」出かけた上、クマに遭遇、不幸な被害に遭遇する、といったことがほとんどないものと考えられます。
従って、野生動物より受ける被害というのも、家畜が捕食される経済的被害、と言う面にスポットが当たっているものと考えます。
人間社会のライフスタイルが異なる日、米を比較するわけにはいきませんが、その違いを踏まえた上で、日本社会・行政当局として、老若の歩行者、丸腰作業者に対する防御策、住居におけるガードの強化などを、ヒトとカネを投入して実行しなければならないでしょうね。その様な対策を十全に提供するのが、政府・自治体の義務でしょうね。
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2025年07月29日 鵜の目鷹の目、世界の目
Look up from under the water and from the ground with a cormorant’s eye, Look down from the sky on the whole scene with a hawk’s eye, Embrace the views of the world.
「場当たり公約先行の参院選挙には悲しくもヴィジョンが欠如している」
-“Performative ‘elections’ expose a sad lack of vision”-
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The Japan Times 7/21/2025
(OPINION by Stephen R. Nagy)
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今回の「鵜の目鷹の目世界の目―――」においては、筆者が注目記事の抄訳を紹介した上、筆者の補足コメント、意見を付属的に少しだけ付け足す、というスタイルを脱し、(筆者が遭遇した)注目記事二本の大略を紹介し、断片的ながら本記事の文章も紹介しながら、筆者自身の感想と意見をより主体的に述べさせて頂く、という形でまとめてみました。
今回紹介するのは、7/20/2025 に投開票が行われた日本参院選挙の翌日(7/21付け)に掲載された、国際基督教大学(ICU)教授、ナギー博士によるオピニオン記事です。
= 故安倍晋三氏(元 首相)が、在任中に提唱した「自由にして開かれたインド太平洋地域ヴィジョン(Free and Open Indo-Pacific Vision = FOIP)」と、日本経済の復活を促した「アベノミックス」、そして、日本国民の世界の中での役割としての「積極的平和主義」という一連のヴィジョンは、全てが実現されたとは言えないまでも、広く国内外に訴えるものがあったのだが、彼亡き今の日本政界全体において、この国の将来を見据えた戦略的ヴィジョンなるものが全く見当たらず、憂慮すべき空白状態をもたらしていると言わざるを得ない=
という論説冒頭の数行に凝縮された警告に注目すべきですね。自民・公明の少数与党然り、参院選に名乗りを上げた多くの野党然り、当面の人気取りのための、口先だけの公約、口先だけで実行しないと言うわけではないが、あまりにも矮小化された政治目標としか言えない、現金給付、はたまた、国の全体像や将来像を考慮しない減税策等、或いは、欧米で勢いを得ている結果論に過ぎない外国人労働者排除論を思わせる日本人第一主義等々、余りにも場当たり的公約ではないでしょうか?
世界で紛争、戦争が広がりつつある中、日本は大丈夫なのか、もし、モシですが、日本で或いは日本近辺で紛争が起きる場合、我が国は如何なる態勢で如何なる手段により、自国を守り、正義を守るのか、同盟・友好国との予備的態勢整備は如何になすべきか?
そして、仮にも紛争に近づかないための「積極外交」とは? そのための具体的アクションは何なのか、それをどのように実行してゆくのか?
世界経済の中での日本の位置づけが落ち込む一方の情勢を改善するのは、どうすればよいのか、賃金を挙げることにより若い世代のやる気を伸ばし、経済に活力を注入するには?
地球温暖化が進む中、日本の取るべきエネルギー対策は、そして将来のあり姿は?
国民に希望と安心感を与えるヴィジョンとは? これを謳いつつ、具体的には賃金上げのための合目的的企業減税等を約束できないか、いつまで経っても改善しない男女差別や女性活躍上の壁を米国の且つてのAffirmative Action 的政府主導態勢はできないのか? 等々、与野党ともに、将来の夢とヴィジョン、そのための具体的実現策を謳いあげることが大事であると考えます。 それこそが、SNSに左右されっぱなしではないであろう若い世代に訴える力であろうと判断します。私自身、一人の国民として、これらに対する具体案を描いております。
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2025年03月14日 鵜の目鷹の目、世界の目
Look up from under the water and from the ground with a cormorant’s eye, Look down from the sky on the whole scene with a hawk’s eye, Embrace the views of the world.
America’s allies are shaken, and now they are taking action
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New York Times 3/14/2025
OPINION Column
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アメリカの同盟諸国は動揺している、そして行動しようとしている
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抄 訳
(NYT紙よりの前説 ― 核戦争のリスクが高まりつつあります。
核保有諸国はその武器保有量を積み上げようとしており、新たな軍拡レースに向かっている。
これにつき本紙は、「オピニオン」欄において「瀬戸際シリーズ」として掲載します。)
トランプ大統領の対ロシアへの好意的姿勢、ウクライナのゼレンスキーに対する異例の口撃、欧州における同盟諸国への<何でもあり>的アプローチによる軍事予算拡大要求、という一連の動きは米国の同盟諸国全般に衝撃を与えている
― 核軍備の自由競争にも繋がるような。
例えば、ポーランド、ドイツ、韓国等において、核兵器保有計画の検討と言った、気になる政府表明が出て来つつある。米国の欧州やアジアにおける同盟諸国はこれまで、米国の核の傘の下に、独自の核武装を控えてきている。
しかし、この核の傘への信頼感は、トランプ氏が先週表明したところの、ウクライナへの武器供給と情報共有を差し止めることになりつつある動きのため、崩れ去ろうとしている。ドイツにおいては、新任首相メルツ氏は、急遽、イギリスとフランス(ドイツは核非武装だが、この両国は、ロシアに比べると、小規模ながら核武装をしている)との間で核兵器共有体制を築くべきだと打ち上げている。
フランスは、この考えを受容する姿勢を示している。
なにしろ、フランスの核武装は中規模ではあるが、すでに1960年代に当時のドゴール大統領の先導により、米国がむしろ反対姿勢であった中、立ち上げた国防体制なのだ。
最近のトランプ大統領によるウクライナへの辛口コメントと遠慮のない叱責に接するに及び、複数の同盟諸国は、再考を余儀なくされている ― 戦闘が起きた場合、米国は助けに来てくれるのか? と言う点につき。
特に韓国にあっては、既に以前より、核不拡散条約(=NPT =Non-Proliferation Treaty)にも調印済みであるが、近年特に北朝鮮の挑発的動きと言説に警戒感を抱くに至り、核開発も辞さぬ旨のコメントも出すほどになっている。これを受けて、日本や台湾も、中国の武力威嚇行動に神経を尖らせており、今後の選択肢の再検討に迫られている。加えて、中東地域にあっては、イランの危なっかしい核開発計画に脅威を感じるサウジアラビア、エジプト、トルコなどの諸国も核保有への動きに向かう可能性もある。
昨今のトランプ大統領の言説に惑わされている国際社会に再び信頼感を与えるためには、トランプ氏として、他国の核保有への動きを止め、米国の広範囲核抑止政策は揺るぎのないものであることを確約する必要がある。
そうすることにより、彼自身及び彼の後継大統領達が、世界のあちこちで出て来る核武装に心配することもなく、将来の人類の生死を決める戦争が起きることとなるような場合に米国の発言権が残るのか、と言う希望も捨てずに済む、というものであろう。
By W.J.Hennigan
(ヘニガン氏はワシントン在の国防安全保障関係の著述家で、当紙オピニオン欄にも参画。
同氏は、24ヶ国以上の国も取材し、著述を行っている。
その取材範囲は、戦争、武器の輸出入、米国兵士の生活等に及んでいる。)
本欄(Times Opinion series = ニューヨーク・タイムズ・オピニオン欄)は、Carnegie Corporation of New York / Outrider Foundation / Prospect Foundation の慈善基金により運営されています。
これら支援団体は、記事の選定、趣旨設定、編集過程につき、影響力を保有せず、出版前の記事の精査も行わない。本紙が完全な編集決定権を保有しています。
(HM註:本記事の全文の写しと関連写真はファイルにあり。)
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2025年02月24日 鵜の目鷹の目、世界の目
Look up from under the water and from the ground with a cormorant’s eye, Look down from the sky on the whole scene with a hawk’s eye, Embrace the views of the world.
ロシアによる約束違反を振り返る
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A Brief History of Broken Russian Promises
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Wall Street Journal 2/24/2025
Review & Outlook , Opinion Column
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ウクライナがロシアとの停戦合意に向けて安全保障を求める理由
2月24日は、ロシアによるウクライナへの一方的侵攻開始の三周年の日となる。トランプ大統領は、ヴラディミール・プーチンが和平を望んでいると言うが、ウクライナの人々は、そのような言質が実際には何を意味するのかについての苦い経験をしてきている。この3周年日は、冷戦後のロシアによる約束違反の歴史を振り返る良き機会であろう。それは、「圧政の終結」という幻想の最中に交わされた1994年ブダペスト覚書に端を発した。
ウクライナは、米国、英国、ロシアよりの安全保障確約と引き換えに、自国の核兵器を放棄した。
ロシアは、ウクライナの独立性と領土の正当性を尊重し、経済上の圧迫を辞めることを明確に約束した。
にもかかわらず、ロシアは次のような約束違反の数々を犯してきている。
抄 訳
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- 2003年 ロシアはウクライナのツスラ島において、勝手にダム建設を始めている。
- この事件の後、2013年、ウクライナは西欧との政治的、経済的結びつきを深めようとすると、ロシアはエネルギー供給の見直しを武器とした貿易の締め付けに動いている。 これに音を上げた、当時のウクライナ大統領、ヤヌコヴィッチがロシア迎合の姿勢を示すや、国民の抗議デモが起こり、ヤヌコヴィッチはロシアに亡命するに至る。
- 翌2014年には、ロシアはクリミア半島を急襲併合、戦略基地セバストポルを不法確保するに至る。
- 加えて、ドンバス地方において二つの州を併合。
- ウクライナのこれに対する反撃部隊に、安全な退却を進めるため非武装化した兵士に向けて急襲攻撃を行い、360人以上の兵士を殺戮している。
- その後ロシアが再攻勢をかけるに至り、ウクライナも反攻を試みるが、米欧の説得の下、ミンスク(I)協定、ミンスク(II)協定等が調停案として結ばれたが、ロシアはこれを無視し、兵力を増強、2022年の侵攻への準備を為すに至った。
- そしてロシアは2022年2月のウクライナ電撃作戦に動き、侵攻が本格化したが、ゼレンスキー大統領の率いるウクライナ軍はロシア軍をキーフから駆逐、ロシアはその後、住民地域への空爆と東部における侵攻を続け、膨大な犠牲者を産み出している。
プーチン氏は平和実現を望むと述べているが、全て自国の利益になることしか考えておらず、ウクライナの受け入れることのないものだ。 ウクライナが、和平実現に当たって、欧米による信頼できる安全保障へのバックアップを求める所以である。 それなしでの停戦 ― ミンスク(III)と言うのは、単にプーチン氏に再攻撃への時間と余裕を与える結果となるに過ぎないことが分かっているからだ。
(HM註: 私等は、ロシアのクリミヤ半島併合については、当時、「えっ、なぜ?」と思いつつも、欧米側の無作為 ― 積極的関与の欠如 ― につき、余り関心を払っていなかったのが正直なところです。
これが今回の3年に亘るウクライナの反攻とこれに対する欧米のー と言うか、主としてNATO欧州勢の肩入れー で注目を浴びだし、ウクライナにおける惨状をTV、新聞で見るにつけ、ロシアの身勝手な ― と思います ―行動に批判的な姿勢となっているのが日本国民の多くであろうと想像します。
この中で、米国再任大統領、トランプ氏のウクライナにたいする居丈高な揺さぶりには大いに疑問を感じるものであります。)
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2025年02月16日 鵜の目鷹の目、世界の目
Look up from under the water and from the ground with a cormorant’s eye, Look down from the sky on the whole scene with a hawk’s eye, Embrace the views of the world.
ヴァンス氏、土台を構築中
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New York Times International Edition 2/15-16/2025(週末版)
OPINION
(by Kristen Soltis Aderson, Contributing Writer)
(本欄末尾の編集註によると、アンダーソン氏は、共和党における世論調査担当で、関連著書もあり、と)(本欄記事全文及び写真、ファイルにあり)
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抄 訳
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JD Vance(JD ヴァンス)は、ドナルド・トランプやイーロン・マスクの様な派手な話題を提供していないかもしれないが、彼こそ、政治を長い目で見るなら注目すべき人間だ。
彼の副大統領としての任務の中でも、特に今週パリでの、米国のAI分野における世界的リーダーシップ発揮の抱負に向けての彼の演説において全面的に提起された戦略こそが、米国が進むべき道筋を明示する立場であることを唱えるものとして万全の準備でもって選ばれ明らかにされたものと言える。我々は今や、AIを管理抑制すべき脅威と見る姿勢ー これは彼の前任副大統領、カマラ・ハリスの姿勢であったが ー これを乗り越えて、AIを新しい機会提供の原動力と捉え、動くべき、というヴァンス氏の力強い議論は大方の注目を集めたのだ。
彼の技術についての物言いは、あたかも、自分のWiFiのパスワード変更に「若いもん」のヘルプを必要としない男の如きであった。
これはまさしく我が国の政治家への教訓ともなるもので、首都ワシントンにおける老人支配態勢に一線を画すものであると言える。
彼のパリでの発言内容は、米国の政党の一つにあって、国の将来を作り上げるための課題に焦点を絞り、雄弁に語る新世代指導者を見るがごときであった ― 単に過去の政争問題を焼き直すのではなく。
(HM注)
以下に、かなり詳細に渡り、ヴァンス氏の生い立ち、経歴、言説、人柄を評価の上、トランプ氏を大統領に選んだ支持層が抱く「指導者のイメージ」をヴァンス氏は若いヴァージョンとして具備している ― 例えば、闘う姿勢、批判への無頓着、ポピュリスト的姿勢 ― もので、トランプ氏の後任として4年後には有望であろう、と位置付けています。
種々の情報や、私の家族となっている米国籍女性(息子の妻)の話等に接し、私自身の抱く印象も、同様であり、むしろトランプ氏以上の、包容力と冷静さと分析力も兼ね備えた人物のように感じます。 勿論、本記事の筆者が共和党の世論調査担当である点、身びいきもあるとは思いますが。
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2025年02月12日 鵜の目鷹の目、世界の目
Look up from under the water and from the ground with a cormorant’s eye, Look down from the sky on the whole scene with a hawk’s eye, Embrace the views of the world.
(HM註):-
歴代民主党政権下の財務長官5氏による意見書
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New York Times International Edition
2/12/2025
Opinion
(NYTI 2/12/2025 紙上「オピニオン」欄に、直近
民主政権3代において財務長官を務めた5氏が
連名にて共通の認識・意見として投稿している
もので、注目に値すると考えます。)
DOGE is corrosive to American democracy
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「政府効率化省」はアメリカの民主主義体制を
腐食するものだ
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OPINION by Robert E. Rubin
Lawrence E. Summers
Timothy F. Geithner
Jacob J. Lew
Janet L. Yellen
我々5名は、ぞれぞれ、第70代、71代、75代、76代、そして78代目の財務長官に任命された当時、各自は米国憲法を支え、守って行くという宣誓を行ったものだ。
我々の役割は多方面に亘るものであった。
我々は、その時々の大統領の政策目標を推進し、国際舞台における米国の経済上の国益を顕示すべく、健全な金融政策の立案実行に務めたものだ。 しかし、これを実行するにあたり、我々の最も基本的な責務として認識していたのは、米国の法律と憲法の忠実なる順守施行であった。
我々の場合は幸いにも各自任期中において、国家の財政金融上の約束事をなし崩しにしてしまおうと言う動きはなされなかったものだ。
残念ながら、最近の報道・報告によると、
そのような動きが今進行中ではないかという懸念を抱かせる確かな状況が見られるのだ。
歴史的に我が国の金融財政行政は、不偏不党を旨とするごく少数の職業公務員によって運営管理されてきている。
最近にあってはこの基準が外されており、これら不偏不党の役人の役割が、いわゆる「DOGE」(⇒Department of Government Efficiency = 政府効率化省)よりの政治的被任命者(political appointees)により崩されつつあるのが現実だ。 その一例が、財務次官だ。
このポストは、過去80年間にわたり、公務員専用に割り当てられてきているものだ
― それはひとえに、連邦財務資金の公正なる管理と支払い実行に関わる公的信頼感を担保するためである。-
最近のアポインティー達は、公務員同様の厳しい倫理検証を受けてきていない
― 中でも一人は民間企業人でいながら公的役割を得ている
ー これは控えめに言っても金銭上の利益相反の様相を呈している。
アポインティー諸氏は私的個人情報 ― 社会保障ナンバーとか銀行口座情報等 ― の取り扱いの訓練も経験も不足している。
抄訳:これによる外敵への情報漏洩のリスクもあり、現実に先週には連邦裁判官による、これらアポインティーの収支行政への関与を差し止める命令も出されている。我々がこの意見書を投稿すると言う異例の行動に出たのは、仮にも、連邦政府資金に関する専横的且つ気まぐれな政治判断及び取り扱いと言う違法な、そして我が国の民主主義制度に有害な行動を許してしまうリスクに警戒心を抱くものであるからだ。
―――
(HM註: ルービン、サマーズ、イエレン等5人の財務長官経験者連名という異例の意見書は注目と傾聴に値すると考えます。
特に既に走りだしているトランプ政権の、浮かれ気味と言っても言い過ぎでないほどの、言いたい放題、やりたい放題には党派の違いを乗り越え、警戒の要がありますね)
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モリシップラン・オフィス
PC address: morishima@morishiplan.com
URL: http://www.morishiplan.com




